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マーケティング担当者がいない会社が——採用より先に決めるべきこと

マーケティングの担当者がいない。判断は社長の頭の中だけにあって、忙しくなると何も進まない。あるいは、手の空いていそうな若手にSNSの更新を任せてはいるものの、それがうまくいっているのかどうか、自分では評価できない——。沖縄の中小企業と話していると、こういう状態はめずらしくありません。

そして多くの場合、次に浮かぶのは「担当者がいないのが問題なら、採用すればいい」という考えです。マーケティングができる人を一人採れば、この滞りは解ける。求人を出そう、と。

けれど、「採用」を最初の一手にすると、たいてい期待したようには進みません。人がいないことは事実でも、そこを人の採用で埋めにいくのが最善とはかぎらないからです。この記事では、担当者がいない会社が、人を採る前に決めておいたほうがいいことを整理します。

「まず採用」が最初の一手になりにくい理由

マーケティング担当を採用すること自体が悪いわけではありません。問題は、順番です。担当者がいない会社ほど、採用がうまく機能しにくい構造を抱えています。

一つは、評価ができないこと。社内にマーケティングの経験者がいないから採用しようとしているのに、いざ採ると、その人の仕事が良いのか悪いのかを判断できる人が社内にいません。成果が出るまでには時間がかかる仕事なので、「動いてはいるが、正しい方向かどうか分からない」という状態が続きます。冒頭の「若手にSNSを任せているが評価できない」という状態は、実は経験者を一人採ったところで解けません。評価する側の目が育っていないという構造は同じだからです。指示も同じで、何を任せ、何を優先してもらうかを決められないまま、本人の裁量に丸投げになりがちです。

もう一つは、そもそも何をやってもらうかが定まっていないこと。「マーケティングをやってほしい」という求人は、実のところ中身が広すぎます。SNSなのか、広告なのか、サイトの改善なのか、それとも誰に売るかを決め直すところからなのか。ここが決まっていないまま人を採ると、採用した側もされた側も、何から手をつけるべきか分からずに時間が過ぎていきます。

言い換えると、採用は「やることが決まっている仕事を、続けて回す人が要る」ときに効く一手です。やること自体がまだ定まっていない段階では、人を増やしても、決まっていない状態が一つ増えるだけになりかねません。自社が何から手をつけるべきかがはっきりしていない場合は、人の前に、そこを確かめる順番になります(この現状確認については集客できない原因は「施策選び」では見つからないで整理しています)。

「担当がいない」を埋める道は、採用だけではない

担当者を置く目的は、採用そのものではなく、マーケティングが止まらずに回る状態をつくることです。その状態に至る道は、採用のほかにもいくつかあります。大きく分けると3つです。

1. 社内の誰かが兼任で回す。いまいる社員が本業と兼ねて担当する形です。会社のことを分かっている人が動けるのが強みですが、片手間になりやすく、その人が忙しくなれば止まり、辞めれば誰も引き継げないという弱さがあります。やることが比較的はっきりしていて、量が多すぎない場合には成り立ちます。

2. 外部の手を借りる。社外の人やチームに、担当として動いてもらう形です。採用にかかる時間や、評価できないというさっきの問題を、経験のある外の人が入ることで飛ばせます。自社の中に人を抱えないので身軽ですが、丸投げにすると自社にノウハウが残りません。任せる範囲と、社内側で誰が窓口になるかを決めておくことが要ります。

3. 自社で回せる体制を、時間をかけてつくる。いまは回せなくても、判断できる人と手順が社内に育つことを目標に据える形です。すぐには回りませんが、うまくいけば外部への依存が減り、マーケティングが会社の中に根づきます。時間と、伴走してくれる相手が要るのが前提です。

この3つは、どれが正解というものではありません。会社の状態によって、向くものが変わります。

どれが合うかは、会社の「状態」で決まる

自社に向くのはどれかを考えるとき、目安になる問いがいくつかあります。やってほしいことが具体的に決まっているか、それともこれから決める段階か。マーケティングを社内に根づかせたいのか、それとも一定の範囲を外に任せて身軽でいたいのか。動かせる時間や予算はどれくらいか。人を採って育てる余力はあるか。こうした問いへの答えの組み合わせで、兼任・外部・内製のどれが現実的かが見えてきます。

ただ、これを社内だけで見極めるのは、意外と難しいものです。長く事業をやっているほど「うちには人がいないから採るしかない」といった前提が固まっていて、その前提自体を疑いにくい。外部の手を借りるという選択肢や、いまの体制のどこを変えれば回り出すのかは、内側にいると見えにくいところです。

私たちISLANDの関わり方も、この3つのうちの後ろ2つにあたります。クライアントのチームに入ってマーケティング担当として動くこともあれば、クライアント自身が回せる状態になるまで、担当の方に伴走しながら体制をつくっていくこともあります。たとえば宮古島の菊之露酒造とは、社内の担当の方に伴走しながら、自社でマーケティングを回せる状態になるまでの時間を一緒に過ごしました。どちらの形が合うかは、会社の状態が決めることで、こちらから型を押しつけるものではないと考えています。

まとめ: 「人がいない」は、能力ではなく体制設計の問題

マーケティングの担当者がいない、と感じたとき、いちばん避けたいのは、状態を確かめないまま採用だけを急ぐことです。やることが定まらないまま人を採っても、評価できず、指示もできず、成果の手前で止まってしまいます。

先に決めるべきは、「誰を採るか」ではなく「どの形で回すか」です。社内の誰かが兼任するのか、外部の手を借りるのか、時間をかけて自社で回せる体制をつくるのか。そして、その手前で「そもそも何をやるべきか」がはっきりしているか。ここが決まってはじめて、人を置くべきかどうか、置くならどんな人か、が決まります。

「人がいない」は、多くの場合、能力の問題ではなく体制の設計の問題です。採用を最初の一手にする前に、自社にとってどの形が現実的かを一度立ち止まって考える。それだけで、採ってから「思っていたのと違った」となる遠回りは、かなり避けられます。人を置くかどうかは、その設計の後についてくる答えです。

この記事を書いている会社

ISLANDは、沖縄のマーケティング支援会社です。「何をやるか」の前に「何が必要か」を一緒に確かめることを大切にしていて、Webマーケも、プロモーションも、ブランディングも、広報も、会社の状況に合わせて手段を選びます。クライアントのチームにマーケティング担当として入ることもあれば、クライアント自身がマーケティングを回せる状態をつくることもあります。1社あたりの平均取引年数は約2年。人を置いて終わりではなく、続く関係を前提に動いています。

「うちは採用すべきなのか、それとも別の形で回せるのか」——その見極めだけでも、無料相談でお話しできます。まずは自社がどの状態にあるかを整理するところから、一緒に始めてみませんか。

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ご相談は無料です。採用を勧めるのではなく、まず自社に合う回し方の見立てからお話しします。